コラム

給与計算の正しいやり方とは?|手順や計算方法、注意点などを解説

2024年08月19日
   

 

あなたは給与計算の複雑さに頭を悩ませたことはありませんか?多くの企業や人事担当者にとって、給与計算は重要かつ困難な業務です。この記事では、正しい方法と注意点について説明します。

給与計算は単なる数字の処理以上のものです。従業員の生活に直結するため、法令遵守と正確性が求められます。基本給、手当、残業代、社会保険料、税金など、細かい計算が必要です。

給与システムを導入すると、計算ミスや情報漏えい等を防ぐことができますが、基本的な知識は欠かせません。この記事では、基本から応用まで、段階的に解説します。正確な賃金計算と効率的な給与業務についてお伝えします。

重要ポイント

  • 給与計算は法令遵守と正確性が重要
  • 基本給、手当、控除項目など細かな計算が必要
  • 給与システム導入でリスク軽減可能
  • 従業員の生活に直結する重要業務
  • 効率的な給与業務実現のコツを紹介

給与計算の基本概念

企業経営において、給与計算は大切な仕事です。正確に人件費や年収を計算することは、従業員の満足と企業経営や財務面でも重要です。

給与計算の定義

給与計算とは、従業員の総支給額から控除を引いた手取り額を計算することです。基本的な計算式は以下の通りです:

【手取り額】=【総支給額】-【控除額】

総支給額には基本給、手当、残業代などが含まれます。控除額は法律上の定めがある社会保険料や税金がありますが、その他会社と従業員との労使協定に基づき控除するものがあれば、控除額に含みます。

給与計算の重要性

正確な給与計算は大切です。理由は以下の通りです:

  • 従業員への適切な給与支払い
  • 法令遵守と正確な社会保険料及び税金の納付
  • 企業の人件費管理の適正化

給与計算の法的要件

給与計算を行う際、以下の法的要件を守る必要があります:

  1. 賃金支払いの五原則の遵守
  2. 社会保険関連の要件確認
  3. 従業員情報と勤怠情報の適切な管理
  4. 事業所所在地の労働法規制の確認

これらの要件を守るため、多くの企業は給与管理システムやソフトを利用しています。これにより、給与計算業務を効率的に行うことができます。

給与計算の準備段階

給与計算を正しく行うには、準備が大切です。
準備段階では、従業員情報の集約、勤怠情報の管理・集計、雇用条件の確認が必要です。これらをしっかりと行うことで、手当や残業代の計算ミスを避けられます。

従業員情報の集約

まず、従業員の基本情報をチェックします。
扶養家族の人数や社会保険の加入状況は、源泉徴収額や社会保険料の控除額に影響します。

勤怠情報の管理・集計

次に、出勤日や勤務時間、有給休暇の取得等の勤怠情報を正確に把握・集計します。

勤怠情報の記録方法の一つとして、例えばタイムカードがありますが、法律上の定めはありません。給与計算業務においては、1か月あたりの労働時間、休暇取得日数等を集計する必要があるため、集計しやすい方法を選択することが望ましいでしょう。昨今はクラウドでの勤怠管理ツールがたくさんあり、比較的安価に利用できるのでおすすめです。

雇用条件の確認

最後に、月給制・時給制の給料形態や給与額を確認します。基本給、諸手当、残業代の計算方法を再確認しましょう。また、給与額は最低賃金を下回ってはいけません。最低賃金は、地域によって最低賃金が異なり毎年変更されるものですので、常に最新情報をチェックしてください。

給与計算の正しいやり方とは?|手順や計算方法、注意点などを解説

項目

内容

注意点

従業員情報

扶養家族数、社会保険加入状況

源泉徴収額、控除額に影響

勤怠情報

労働時間、休暇取得状況

残業代計算の基礎となる

給与体系

基本給、諸手当、割増賃金

最低賃金の確認が必要

これらの準備をしっかりと行うことで、正確な給与計算ができます。次のステップでは、この情報を基に計算作業に入ります。

総支給額の計算方法

総支給額の計算には、基本給、諸手当、時間外手当等を考慮する必要があります。これらを正確に計算することが大切です。

総支給額の計算式は以下の通りです:

給与計算の正しいやり方とは?|手順や計算方法、注意点などを解説

項目

計算方法

総支給額

基本給 + 各種手当 + 時間外手当等 – 欠勤控除

賞与計算も総支給額に影響します。業績や個人評価で賞与が決定されます。年金控除も忘れずに。

基本給や各種手当の金額が昇給等により変更された場合は注意が必要です。また、従業員の引っ越し等による通勤手当の変更も忘れずに対応しましょう。その他、欠勤・遅刻・早退等の欠勤控除についても適切に計算する必要があります。

これらの計算方法は、法律上のルールと就業規則により定められています。

正確な給与計算は従業員からの信頼の基礎となるものです。勤怠情報から正しい計算を行い、給与として支払う総支給額を算出する必要があります。

給料計算の手順と流れ

給料計算は一つ一つの細かい作業の積み重ねにより正確な処理が可能となります。基本給から残業代まで、順を追って計算する必要があります。

基本給の算出

基本給は、給与の基礎となるものです。基本的には、毎月同じ額となります。また、時間外手当等の割増賃金や欠勤・遅刻等の控除額の計算基礎にもなります。

欠勤や遅刻があると控除されます。通勤手当などは非課税手当です。

各種手当の計算

基本給のほかに、様々な手当を計算します。手当の種類・金額は、原則法律の定めはなく、会社の就業規則もしくは個別の雇用契約ごとに決まります。

手当の金額は、従業員に対し、一律のもの・個別に決めるものがあり、給与計算においては従業員ごとに把握し、計算することが大切です。

時間外や休日、深夜労働の割増賃金があります。時間外は25%以上、休日は35%以上です。

時間外手当等の計算

時間外労働や休日労働、深夜労働についてそれらの労働時間に対する給与計算に加えて割増賃金も計算が必要です。計算方法は以下の通りです。

基本給(時給単価)×時間外労働時間(1か月合計時間)×割増率

また、割増率は以下の通りです。

給与計算の正しいやり方とは?|手順や計算方法、注意点などを解説

時間外労働

25%(60時間を超えた時間は、50%)

休日労働(法定休日)

35%

深夜労働

25%

計算例をみてみましょう。

前提条件:基本給(時給単価):1,000円、時間外労働:月10時間の場合

①時間外労働に対する計算

1,000円×10時間(×100%)=10,000円

②時間外労働に対する割増賃金

1,000円×10時間×25%=2,500円

③時間外手当の金額 ①+②

10,000円+2,500円=12,500円

よくある間違いは、「②時間外労働の割増賃金」しか計算していないケースです。この場合は、そもそも10時間多く働いた時間外労働分が支払われないことになります。

また、実務においては、上記のように分けて計算することは煩雑なため、割増率を以下のように読み替えて対応します。

給与計算の正しいやり方とは?|手順や計算方法、注意点などを解説

時間外労働

125%(60時間を超えた時間は、150%)

休日労働(法定休日)

135%

深夜労働

25%

上記の例に当てはめて計算すると、同じ金額を求めることができます。

1,000円×10時間×125%=12,500円

深夜労働の割増率が同じことに気づいた方は鋭い方です。実は、時間外手当等の計算は奥が深く様々なケースがあります。詳細については、別の記事にて解説いたします。

 

給与計算の正しいやり方とは?|手順や計算方法、注意点などを解説

給与計算の主要ステップ

注意点

基本給の確認

欠勤・遅刻による控除を忘れずに

手当の計算

法定割増率を遵守する

残業代の算出

法定内外で区別して計算

控除項目の計算

社会保険料や源泉徴収税を含める

控除項目の計算方法

給与計算では、控除項目を正しく理解し正確な計算を行う必要があります。これらには社会保険料、所得税、住民税などがあります。基本給・諸手当のほか時間外手当等を含む総支給額から、これらの控除を差し引くことで、手取り額が決まります。

社会保険料の計算

社会保険料には、健康保険、介護保険、厚生年金保険、雇用保険が含まれます。これらは以下の通り、計算方法が異なります。

給与計算の正しいやり方とは?|手順や計算方法、注意点などを解説

健康保険料

(介護保険含む)

標準報酬月額×健康保険料率÷2
(都道府県又は健康保険組合により異なる)

厚生年金保険料

標準報酬月額×厚生年金保険料率÷2

雇用保険料

総支給額×雇用保険料率
(業種により異なる)

健康保険料、厚生年金保険料は、会社と従業員が半額ずつ負担します(折半負担)。

標準報酬月額は、原則、入社時の社会保険に加入の際及び年に一度の手続(算定基礎届)により決定されます。

これらは標準報酬月額に基づいて計算されます。例えば、健康保険料は標準月額報酬に保険料率を掛け、2で割って算出します。厚生年金保険料の現在の料率は18.3%です。

所得税の計算

所得税は、総支給額から非課税手当や社会保険料を差し引いた後の金額に対して計算されます。源泉徴収税額表を使って、正確な税引き計算を行います。通勤手当は月15万円まで非課税です。

住民税の計算

住民税は、前年の所得に基づいて従業員ごとに決定され、毎月の給与から一定額が差し引きます。

給与計算の正しいやり方とは?|手順や計算方法、注意点などを解説

控除項目

計算基準

特記事項

健康保険料・

介護保険料

標準月額報酬×保険料率÷2

都道府県・健康保険組合ごとに料率が異なる

厚生年金保険料

標準月額報酬×18.3%

会社と従業員の折半

雇用保険料

総支給額×保険料率

業種により料率が0.9%~1.2%

所得税

課税対象額に応じた税率

年末調整で精算

住民税

前年所得に基づく固定額

従業員ごとに金額が異なる

これらの控除項目を正確に計算することで、適切な給与計算が可能になります。給与計算ソフトを活用すると、時間給計算や各種控除の自動計算が容易になり、ミスを減らすことができます。

給与明細書の作成と確認

会社は従業員に給与を支払う際、給与明細を発行する必要があります。総支給額、控除額、手取り額などを明示した給与明細を作成しましょう。、従業員に大切な情報を提供するツールです。総支給額、控除額、手取り額などをはっきり書く必要があります。これにより、従業員との信頼関係を築けます。

給与明細には、以下の情報が必要です:

  • 基本給・各種手当の支給項目と支給額
  • 勤務時間・残業時間、休暇取得日数等の勤怠情報
  • 社会保険料の内訳
  • 源泉徴収額の詳細
  • 控除額の総額
  • 最終的な手取り額

給与明細の提供方法は、紙での提供のほか電子ファイルでの提供でも構いません。最近は配布の負担が少ないWEB明細の活用も広まっています。

提供するときは、各項目の意味や計算方法を説明することが大切です。特に、控除額や源泉徴収額の計算については、丁寧に説明しましょう。これにより、従業員が理解しやすくなります。

最後に、給与明細書は法令遵守の証拠にもなります。正確な記録を保つことで、労働基準監督署や年金事務所等の行政調査にも対応できます。給与明細書の作成と発行は、企業の責任ある経営を示す業務です。

給与計算における注意点

企業にとって、給与計算は大切な仕事です。月例給与や所得税、社会保険料控除など、色々な要素を考えなければなりません。ここまで給与計算の方法や流れを解説しましたが、改めて正確な給与額を計算を実施する上での注意点をまとめます。

法令遵守の重要性

労働基準法には「賃金支払い5原則」があります。これに違反すると罰金がかかる可能性があります。最低賃金ルールの確認や残業代の正確な支払いも忘れずに行いましょう。

賃金支払い5原則

給与計算の正しいやり方とは?|手順や計算方法、注意点などを解説

通貨払いの原則

原則、現金で支払わなければならい

例外:口座への振込・電子マネーでの支払も可

直接払いの原則

従業員本人に直接支払わなければならい

全額払いの原則

給与の全額を支払わなければならない

例外:社会保険料・税金の控除、労使協定の定めがあるものの控除

毎月1回以上の原則

毎月1回以上支払わなければならない

一定期日払いの原則

一定の期日ごとに支払わなければならい

 

10人以上の従業員がいる企業は、就業規則や給与規程を作成・届け出る必要があります。

計算ミスの防止策

給与計算のミスは様々な原因で起きます。基本給の昇給や手当等の金額変更があった際の更新、残業時間の集計や割増率誤り、社会保険加入の反映、保険料率の更新忘れなどです。これらを防ぐため、以下の対策が有効です。

  • 給与計算事務のダブルチェック体制
  • エクセルを使用した計算自動化
  • 給与計算ソフトの導入
  • 給与計算業務のアウトソーシング

情報セキュリティの確保

給与計算業務では個人情報を扱うため、漏えいリスクに対処する必要があります。従業員の給与情報は機密性が高いので、適切な情報セキュリティ対策が必要です。データの暗号化やアクセス制限などを実施し、安全な環境で計算しましょう。

給与計算の正しいやり方とは?|手順や計算方法、注意点などを解説

項目

注意点

社会保険料

最新の保険料率を確認(都道府県により異なる)

所得税

正確な課税対象額の算出と税率の適用

ボーナス計算

賞与に対する特別控除の適用

給与計算ソフトの活用

企業の給与計算と管理を効率化するには、給与計算ソフトが役立ちます。これを使うと、法律に従った正確な給料明細を作る負担を削減できます。人事部門の負担が減り、給与所得の計算も簡単になります。

給与計算ソフトの利点

給与計算ソフトの利点はたくさんあります:

  • 時間を節約する自動化による給与計算
  • 法定帳簿の作成と管理が簡単になる
  • 社会保険料の計算が正確になる
  • 年末調整に対応したソフトもある

主要な給与計算ソフトの比較

昨今、給与計算ソフトは様々なものがありますが、おすすめは昨今のテレワークにも対応したクラウド型のソフトです。主なソフトを比較しましょう。

給与計算の正しいやり方とは?|手順や計算方法、注意点などを解説

ソフト名

料金

特徴

ジョブカン給与計算

月額400円/名

勤怠管理との連携が便利

マネーフォワード クラウド給与

月額4,980円〜

クラウド型で使いやすい

freee人事労務

月額4,000円〜

会計ソフトとの連携が強み

ジンジャー給与

月額300円/名~

中小企業向けに最適化

ソフトを選ぶ時は、企業の規模や業務に合わせて機能と価格を比較しましょう。機能面・価格共に各社様々で一律の比較は難しいですが、検討のポイントを紹介します。

機能面

画面などのUI(ユーザーインターフェース)や細かい設定ができるなど、各社ごとに機能異なりますが、各社とも最低限の残業代計算や社会保険料率の更新、所得税計算等には対応していますので、初めてのソフトを導入する際はあまり気にする必要はありません。

ただ、今後の企業の発展やすでに10名以上の従業員がいるような企業であれば、給与計算のほかに勤怠管理や経理・会計などのバックオフィス業務の効率化が課題になることも少なくありません。

将来を見据えると、勤怠管理や経理・会計などの機能とも連携できる拡張性があるソフトがおすすめです。

価格面

従業員人数により変動する完全従量課金制、月額固定料金+従業員人数による従量課金制が主な価格形態です。また、上記の紹介にはありませんが、完全買い切り型のパッケージソフトもあります。

機能面との兼ね合いにはなりますが、月額固定料金が設定されているソフトは初期導入時には安価なものの、従業員数が増えてきた際の従量課金が高いものもあります。ただ、従業員数が変わらないのであれば、金額的なメリットがあるとも言えるでしょう。今後の企業の発展や従業員数の増減を見越して検討するとよいでしょう。

適切なソフトを選ぶことで、給与計算業務が効率的で正確になります。

年末調整と給与計算

年末調整は、給料計算の重要な一部です。10月から1月にかけて行われ、従業員の1年間の所得税額を確定します。適切な源泉徴収と年末調整で、従業員の税金納付を正確に行えます。

年末調整の対象は、所得金額が2,000万円以下の人です。給与総額が660万円未満なら、基礎控除は55万円です。所得控除には、基礎控除、配偶者控除、扶養控除などがあります。これらを反映して額を計算します。

住宅ローン控除は、年末の住宅ローン残高に応じて設定されます。復興特別所得税は、2013年から2037年まで、所得税と一緒に納めます。これらの要素を考慮して、正確な給与計算が大切です。

「年末調整作業は複雑で時間を要しますが、正確な手続きを行うためには事前準備が欠かせません。」

給与計算ソフトを使うことで、年末調整業務を効率化できます。特に大きな企業では、給与計算担当者の負担が大きくなるため、ソフトの導入が有効です。

給与計算の正しいやり方とは?|手順や計算方法、注意点などを解説

項目

内容

年末調整の期間

10月から1月

対象者の所得金額

2,000万円以下

基礎控除額(660万円未満の場合)

55万円

書類保存期間

7年間

年末調整と給料計算を正確に行うには、法改正を把握し、適切な設定が必要です。従業員から提出された書類は7年間保存することが大切です。

給与計算の効率化とコスト削減

ここまで給与計算についてお伝えしましたが、改めて、毎月の給与計算は大切な仕事です。従業員を雇用している限り毎月業務が発生し、ミスができない業務でもあります。また、従業員の増加に伴って作業負担が増える業務でもあります。

効率を上げ、コストを減らす方法があります。自動化やプロセスの見直しで、人件費を削減できます。

業務プロセスの見直し

収入給与計算を効率的にする方法として、以下があります

  • マニュアルの作成
  • チェックリストの活用
  • 給与計算ソフトの導入

アウトソーシングの検討

報酬給与計算を外部に委託することも方法の一つです。専門家を活用することで、以下の利点があります。

  • ミスの減少
  • 法律に基づく正しい計算
  • 法改正への迅速かつ適切な対応
  • コア業務への集中

給与計算の外注先としては、以下が挙げられます。

給与計算の正しいやり方とは?|手順や計算方法、注意点などを解説

外注先

特長

おすすめの企業

税理士事務所

税務業務を併せて対応

個人事業・小規模事業者

社会保険労務士事務所

適切な残業代計算

社会保険業務を併せて対応

従業員数5名~数百名程度

給与計算(ペイロール)会社

大企業など規模の大きい会社の対応

従業員数数千名以上

海外拠点、外資系の日本法人

外注のコストは、外注先の対応業務及び従業員数によって幅がありますが3万円から20万円(5名前後~50名程度)です。また、税理士事務所・社会保険労務士事務所では、給与計算対応のほかに、税務または労務の相談、手続等の付帯サービスがあることが多く、中小企業の外注先としておすすめです。

企業の規模や状況、自社の課題に合わせて、最適な方法を選びましょう。正確なニーズを把握し、適切な施策を実施することが大切です。

結論

企業運営において、給与計算はとても大切な業務です。会社にとっては正しい給与支払いと人件費管理の基礎となる業務です。従業員にとっても、労働の対象として毎月の生活の基礎となるものです。給与計算は単なる計算業務や事務作業ではなく、企業と従業員との信頼の築く重要な業務です。正確な年収計算と人件費管理をするには、労働基準法の5つの基本原則を守ることが大切です。給与は月に1回以上、労働者に直接現金で支払わなければなりません。

給与計算ソフトを使うと、計算ミスを防ぎ、効率よく業務が行えます。基本給、手当、残業代、控除項目などを正確に計算できます。給与管理システムを使えば、従業員情報の管理等も簡単になります。

人件費管理の面から考えると、アウトソーシングも良い選択肢でしょう。欠勤控除や時間外手当の計算ミスを防ぐことのほか、社会保険料や所得税の正しい計算等、法令順守の観点でも安心です。また、負担の大きい業務を外注することで、自社のコア業務に集中できるメリットもあります。

 

FAQ

給与計算とは何ですか?

給与計算とは、従業員の給与を正しく計算することです。総支給額を計算し、社会保険料や所得税を控除します。これにより、正確な給与支払いと社会保険料や税金の納付ができます。

給与計算の準備段階で重要なことは何ですか?

従業員の勤怠情報を集約が大切です。勤務日数や労働時間等をチェックします。また、従業員情報と雇用条件の確認も必要です。

総支給額にはどのような項目が含まれますか?

総支給額には基本給、諸手当、割増賃金が含まれます。基本給は原則毎月同じ金額です。割増賃金は時間外や休日労働に対して支給します。手当には通勤手当があります。

残業代はどのように計算しますか?

残業代は①時間外労働手当、②休日労働手当、③深夜労働手当の3つがあります。それぞれの労働時間を集計し、法律で定められた率以上の割増率を乗じることで計算します。

残業代は法定時間内と外で計算されます。法定時間外は高い割増率が適用されます。休日労働も法定と外で異なります。

主な控除項目にはどのようなものがありますか?

主な控除項目は社会保険料、所得税、住民税です。社会保険料は標準報酬月額又は総支給額に基づき計算します。所得税は源泉徴収税額表で計算されます。住民税は前年の所得に基づき市区町村から決定された金額となります。

給与明細書の役割は何ですか?

給与明細書には総支給額、控除額、手取り額、勤怠情報を記載します。これにより従業員に正しい給与の情報を伝えることができます。会社の記録ともなり行政調査や報告の資料としても活用できます。への情報提供と会社の記録ができます。正確性の確認が大切です。

給与計算ソフトにはどのような利点がありますか?

給与計算ソフトを使うと、ミスを防ぎ効率よく作業することができます。ソフトには様々な機能があります。ソフト選定時は価格や機能のほか、同じ会社の他機能もしくは他社ソフトとの連携可否を確認しましょう。

年末調整と給与計算の関係を教えてください。

年末調整は12月に行われ、所得税額を確定する業務です。毎月の正確な給与計算に基づき年末調整業務を行います。

給与計算の効率化にはどのような方法がありますか?

業務プロセスを見直し、マニュアル作成が効果的です。ダブルチェックやチェックリストの作成、ソフトの導入も有効です。アウトソーシングは、業務負担とコスト削減に役立ちます。

この記事を書いた人

大手システム会社のシステムエンジニアを経験した後、任意団体職員として2010年中小企業診断士試験に合格し、2014年に一般社団法人化を果たす。
2015年1月 Hand in Hand 社会保険労務士事務所を開業。